1人暮らしでは笑えない

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V

プロ野球「9回終了時点で同点の場合試合終了」の持つ意味。野球の本質を再考した2021年シーズン。

みなさま

 

こんにちは。

明日からいよいよ11月20日より開幕するSMBC日本シリーズ2021が始まりますね!

 

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今回は、題名にあるように、

今シーズン多く見受けられた「引き分け」について深掘りしていきたいと思う。



最後まで読んでいただけると嬉しいです。

 

目次として、下記の通りに進めていこうと思います。

 

では、進めていこうと思う。

 

通常時の引き分けの概念について

今回話す通常時とは、コロナ禍の前のことを指している。

その基準で話を進めると、延長12回まで試合は継続される。

また、アマチュアとは違い、無死1、2塁から開始されるタイブレークなどはなく

あくまでイニングがそのまま継続されるというのが通常で、12回を終えて同点の場合そこで試合げ終了となり、引き分けとなっていたのがコロナの前だ。

 

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コロナ禍における引き分けの概念について

プロ野球がコロナ禍になってからは、引き分けのルールが変更となった。

延長制度はなくなり、9回を終えた時点で引き分けの場合、その段階で試合は引き分けという形で終了となる。

つまり、どんなに乱打線だろうと、はたまた一点を争う投手戦だろうと、あるいは大型連戦の中日であろうと、試合は9回には必ず終了するということになる。

背景としては、コロナ禍で夜間の外出制限のある中でのナイターの試合ということで

  • 試合終了後なるべく早く観客には帰宅してもらう必要がある
  • NPBとして、そこを考慮していることを世間に示す必要ある

主にそのようなところではないでしょうか。

 

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現行の引き分けの基準が引き起こす利点

さて、まずはコロナ禍になり9回で試合終了となることで引き起こすメリットについて感げえてみようと思います。

メリット

①試合そのものを逆算することができる

②選手起用そのものが楽になる(投手・野手問わず)

③最悪引き分けでもいい、という精神的余裕が生まれやすくなる

 

一つずつ深掘りしてみてみよう。

試合そのものを逆算することができる

まさしくこれは、監督・コーチが試合を進める上で特に大きなメリットとなっているだろう。

従来では、試合展開はもちろん、点差、イニングなど様々な要素を加味した上で試合運びをしないといけなかった。

だが、コロナ禍においてどんな試合展開であろうと、9回で試合は終了する。

これはいわば、取るべき試合とそうでない試合の区別がより色濃く、そして簡単に取捨選択することができるということだ。

例えば、どうしても落としたくないシーズン終盤での首位攻防戦だとしよう。

同点で終盤を迎えた場合、従来の延長12回制では次の勝ち越しとなる一点を取りに、またその一点を死守するような試合展開を想定していくだろう。

だがしかし、9回で試合が終了するなら、仮に引き分けでもゲーム差は縮まるため

あえて勝ち越そうとせず、そのまま同点で試合を終わらせに向かうだろう。

実際、このような展開は今年多く見受けられたと感じている。

試合を逆算できると言ったがむしろ、試合そのものに対する考え方をよく言えば柔軟にすることができ、悪く言えば勝ちに対して消極的な作戦が横行すると言えるだろう。

 

選手起用そのものが楽になる(投手・野手問わず)

次にあげられるのは、選手起用だ。

これは特にメリットの中でも大きなウェイトを占めてると言える。

なぜなら、起用する側・される側双方に利点があるからだ。

 

まず、起用する側、監督・コーチ陣側の視点から見ていこうと思う。

何度も言うが、9回と言う区切りが試合の中であるため、後ろから投手の順番を決めることができる。

なんなら試合開始前で、それをすることも可能だ。

 

これにより、選手の調子、登板数や登板間隔、疲労度などを考慮しながら

まるでテレビゲームのように試合を組み立てることができるのだ。

 

従来では延長に突入しそうな試合展開の場合、監督によっては勝ちパターンで9回までしのぎ、それ以降は残りの投手をうまく使いながら試合展開していくパターンと

8回あたりから延長を意識し、勝ちパターンの投手を温存するパターンが見受けられた。

 

選手の疲労度等を一旦おいて置けるのなら、コロナ禍における投手起用で後者を採用するチームはいないだろう。

試合終盤における難しい選手起用に悩まずに済む、これがまず起用する側としての大きなメリットと言えるだろう。

 

反対に今度は起用される側、選手にもメリットがあることについて触れていきたい。

起用する側で述べた、逆算して選手起用をすることに繋がってくるのだが

これをされる選手の調子、登板数や登板間隔、疲労度などを考慮してもらえることというのは

選手の寿命に直結すると考えて良いだろう。

 

近年、高校野球では1週間の球数制限が導入され、投げすぎに対する対応策が取られている。

これはまさに、選手の怪我に対するリスク軽減と為の処置と言えよう。

 

過去引退して行った選手の中には、大きな怪我から復帰することが叶わず、現役生活を終えた選手も多くいた。

選手として活躍することのできる年齢に限りのあるこの世界において、一年でも長くプレーすることは選手にとっては死活問題といえよう。

ここに対して、このようなコロナ禍での丁寧な選手起用は、ブルペンでの無駄な投球を防ぎ、終盤での急な守備固めや代走などの出場機会の軽減に寄与し、将来的な選手寿命の向上に貢献していると言えるのではないだろうか。

 

最悪引き分けでもいい、という精神的余裕が生まれやすくなる

こちらも選手、そして監督・コーチの双方のメリットと言えるだろう。

 

引き分けは、負けではない。

むしろ、今の状況下において引き分けはかなり価値のあるものとなっている。

というのも、以前より引き分け自体の数が増えているのだ。

 

下の表がコロナ前2019年シーズンの各球団の勝敗表だ。

引き分けは各球団数えるほどしかないのがよくわかるだろう。

 

次にお見せするのが、今年2021年の勝敗表だ。



その差は一目瞭然と言えるだろう。

2019年には、引き分けが二桁の球団はなく、最多はオリックスの7引き分け。

それに対して、2021年は一桁の球団はなく、最小で阪神の10引き分け

最多に関しては、ソフトバンクの21引き分けと、約7試合に一回という結果になっている。

 

この数字を見て、皆さんはどう感じただろうか。

一概に、この数字が大きい球団が上位に食い込んでいるかと言われたそうではないので

必ずしも、この数字に全てを委ねるのは間違いだと思う。

 

しかし一方シーズン終盤の首位争いをしていたチームの戦い方に目を向けると

引き分けでもゲーム差は縮まる、という一種の安堵感みたいなものすら感じる戦い方をしているところもあった。

これは引き分けでもゲーム差は縮まる状況で特に顕著に現れていたのではないかと思う。

 

実際には、どの球団も同じ状況下で戦っているのだから同じじゃないかと感じるかもしれないが

シーズン終盤、各球団の残り試合数にも差が出てくる頃に

このように引き分けによってゲーム差を縮めることができるのは

プレッシャのかかる選手にとっては、メリットと言える環境ではないのだろか。

 

CSでも同基準の引き分けが採用されたことについて

さて、ここまで筆者が考えるメリットについて話をしてきた。

ここでは、CSでも同様の基準が設けられ、それによって感じたデメリットについて考えてみようと思う。

 

CSでもレギュラーシーズン同様、9回で引き分けの場合、試合終了というルールが用いられた。

一つ違うのは、というか意味合いが違うのが、同点で試合が終了した場合

レギュラーシーズン上位のチームに白星がつくといったものだ。

 

今回、CSファースト・ファイナルでこのルールが適応された試合が2試合あった。

一つ目はCSファースト2戦目、楽天VSロッテだ。

この試合を引き分け、白星がついたことによりロッテはCSファイナルに進出することになったが、筆者は正直これで決まるのはどうなのかと感じた。

 

試合はロッテが8回に追いつき、そのまま同点で逃げ切った。

本来であればそのまま延長に進み、後のない楽天は総力戦で全投手陣を注ぎ込んだ投手リレーをしてきたに違いない。

それが見れずに、不本意な形で試合終了とは、なんとも切ない気がした。

 

もう一つはCSファイナル第3戦、ヤクルトが6年ぶりの日本シリーズ進出を決めたVS巨人戦だ。

この試合、ヤクルトのベテラン青木選手の勝ち越しタイムリーで一時勝ち越したが、リリーフの清水が8回同点に追いつかれてしまった。

この時巨人ファンは大いに盛り上がっていたが、正直勝ち越していようが、追いつかれようがあまり関係ないのでは?と感じていた。

なぜならヤクルトには最終回には守護神マクガフがおり、8回終了で同点にはなっていたがほぼ確実にこのままいくだろうなと感じていた。

案の定試合はそのまま同点で終了、ヤクルトに白星がつくという結果になった。

筆者が観戦したCSファイナル第3戦

 

双方の試合を見て、もちろんシーズン順位が上のチームが勝ったので、アドバンテージ的な考え方をすれば、このような終わり方も妥当なのかもしれない。

しかし、野球の奥深さ、難しい選手起用、終盤の一点を争う攻防など

見ていてこれほどしっくりこない短期決戦はなかったと思う。

 

シーズンを勝ち抜いた強いチームの、短期決戦という難しい戦い方の中で

強大な戦力を細かく使い分け、勝ち進んでいくのがプロ野球であり

マチュア野球では表現できない繊細な試合展開こそが魅力ではないのだろうか。

 

今後の希望について

コロナ禍という特別な中でプロ野球を有観客で開催するには、各自治体などのルールに従って試合を進めていくことは大切だ。

また無観客に戻ってしまっては元も子もない。

 

しかし、せめてCSくらいは延長を戦ってほしかった。

9回で試合が終わってしまっては、

やはり野球の本質的な面白さ、難しさ、そして楽しさを阻害してしまう。

 

ここのパワーバランスを見極めた上で、NPBには来シーズンの指標を作成していただきたい。

それが筆者の切な願いだ。

 

日本シリーズは延長があるみたいでまずは一安心。

ヤクルト、オリックスの痺れる試合に期待したい。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。